2020都知事選 めぐせた総括文集


多様性を認め合う自立した個人の集まりである「めぐせた」は、2020都知事選をたたかうことで
地域での野党共闘の歩を進めた。難しい条件下でも自分で考えながら活動した個々人の文を集めることで、総括集とする。

  

  目    次

 

第1部 「市民選対めぐろ・せたがや」関係者の総括

  1. 2020 年都知事選、候補者決定前後の活動総括 鈴木国夫
2. 東京都知事選挙をたたかって 沢井正代 
3. 未体験ゾーンでの選挙;宇都宮さんから学ぶことが多かった! 森 正樹
4. 「市民選対めぐろせたがや」で取り組んで 小川講平 
5. 共同したたたかいをすすめられたことが大きな財産 上田定男 
6. 都民はなぜ小池百合子を選んだのか 山田大蔵
7. 都知事選挙を振り返って 渡部公一 
8. 選挙結果の概略分析 志村徹麿 

 

第2部  たたかった市民の声

  9. 皆様へ、「人間バンザイ」です! 児玉勇二
10. 「めぐろ・せたがや市民連合」として初めての都知事選をたたかう 松尾 弘
11. 告示日直前の山本太郎の出馬宣言 森 正樹 
12. 太郎さんの立候補の理由に涙しました! 小林みどり 
13. 心の底から応援したかった宇都宮けんじさん! 清水繁子 
14. 次はれいわを含めた野党共闘ができるように! 小林みどり 
15. 「全力を尽くさなかった」という悔恨の想い 羽立教江 
16. 無 題   林 立彦
17. この国の「政治文化」を変えていかないと 高橋知文 
18. 都知事選の候補者は誰が決めるのか(私論) 鈴木国夫 
19. 都知事選を巡って、気がつきにくい視点について 瀧さをり
20. 地域が自律的に強くなっていくような可能性 瀧さをり 
21. 都知事選をたたかって 沼 衛市
22.「担い手不足」を痛感;姪、甥には感謝 角倉洋子 
23. 都知事選を振り返って想う 海沼広子
24. 要望を出しながら応援していく 原田美知代
25. 「違う意見=敵」という心理には自戒を 亀田 旬子

   

第3部 都知事選活動日誌;2020.4.19-7.16

 

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 第1部 「市民選対めぐろ・せたがや」関係者の総括 


 

1. 2020 年都知事選、候補者決定前後の活動総括

鈴木国夫(「市民と野党をつなぐ会@東京」「市民連合めぐろ・せたがや」共同代表)

 

マスメディアでは報道されない事だが、今回の都知事選では、野党共闘に関して目を見張る前進が二つあった。

一つは、立憲民主党が宇都宮けんじ氏の政策を受け入れたこと。
二つ目は、東京のかなりの地域において、市民と野党の地域選対(連絡調整会議)が作られ、機能したことである。

安倍政権が倒れない最大の理由は、野党が纏まらず、受け皿が無いからだと云われてきた。東京の各地域では、以前から市民組織が各党に「市民と野党の共闘で選挙に取り組もう」と働き掛けていた。今回は、立憲民主党東京都連からも地域選対を作ろうという呼びかけがあり、野党各党も素早く呼応し、短期間の内に、それぞれの地域で市民選対が出来た。各党と市民がごく普通に一緒に活動する状態が各地で生まれたことは、野党連合政権へ繋がる画期的な出来事だった。これは野党共闘を求めてきた市民運動の積み重ねの成果として自信を持ってよいことである。

一般有権者には見えない内輪的な総括と思えるかもしれないが、筋道の通ったたたかう主体が纏まることを抜きに政権交代は考えられないので、今回の都知事選の成果は特筆に値する。

小池都知事の大量得票には、災害時に人々が行政トップ変更のリスクを避ける心理も働いている。このことは与党側も学んでいると考えられるので、次期衆議院選挙でも対策を考えるべき課題である。

今後は、この野党共闘の前進の上に、対コロナ政策の拡充、共闘の枠組み拡大等の課題を進めることにより、メディアが報道したくなるような説得力のある野党連合政権への動きを創りたいものである。

「つなぐ会」は都知事選そのものを総括する立場にない。ここでは候補者決定段階において、つなぐ会の果たした役割と野党共闘の前進について総括する。

 

1. 候補者決定以前のつなぐ会の活動 

(1) つなぐ会は、様々な考えの市民で構成される地域組織の連絡会であり、都知事選の候補者擁立に関わらない組織である(つなぐ会 HP の申し合わせ事項参照)。擁立には関わらないが、野党共闘を進める観点から、候補者を統一するように立憲野党に機会ある毎に要望してきた。

(2) そして候補者が決まったら直ぐ各地域の情報交換に動けるよう、都政チーム(11 名)をつくり準備を始めた(5/20 運営委員会テレビ会議にて)。都政勉強会を 5/27 と 6/4 に開催した。

 2. 候補者決定段階でのつなぐ会の活動

(1)  5/25、宇都宮さんがツイッターで出馬表明をし、5/27 午前に記者会見を行った。前回都知事選のしこりもあり、宇都宮さんと立憲野党とは事前相談をしていないことが明らかにされた。一方、立憲野党は山本太郎氏と調整中との報道もあり、候補者統一の方向性に混乱が懸念された。

(2)  同日 5/27 午後、つなぐ会都政チームはテレビ会議を行った。立憲野党が統一候補を出せない中、公示まで 1 カ月を切った段階で、宇都宮さんが出馬表明したという局面を迎えた以上、分裂するのではなく、宇都宮さんの立候補決意を尊重した上で、立憲野党が都知事選候補を統一して戦うことにより、都知事選も市民と野党の共闘も前進することを強く望み、下記要望書で働きかけることにした。

そして、この流れを早急に作るために、各地域の代表的な方々に有志連名を募り、下記要望を働きかけることにした。募集期間は実質 1 日であったが、要望書に 196 名の有志連名が得られた(つなぐ会 HP の 2020/6/2 参照 http://tunagu2.jimdo.com/)

要望書全文

東京都知事選に関する、宇都宮健児さんと立憲野党に対する要望書(2020 年 6 月 1 日)

私たちは、立憲野党が都知事選候補者を統一してたたかうことにより、都知事選も、市民と野党の共闘も前進することを強く望み、下記を要望致します。

1. 宇都宮健児様

私たちは、都知事選も立憲政治を取り戻すための市民と野党共闘を進める選挙として積極的にかかわっていきたいと思っています。立憲野党および各種団体に対して、都政を変えるために共闘しようと、宇都宮さんからも呼びかけてください。

2. 立憲野党各位

都知事選の期日が迫ってきたこの段階において、野党統一候補の名前は上がっていません。そんな中で宇都宮さんが立候補を表明されました。このことを真摯に受け止めて頂き、その上で野党統一候補を早急に決めてください。有志連名 196 名

 

(3)  6/2 に宇都宮さんの弁護士事務所を、4 名で訪問。宇都宮さんは要望を快く受けて下さった。

(4)  6/2 に立憲民主党、国民民主党、日本共産党、社会民主党、れいわ新選組、東京・生活者ネットワーク、新社会党、緑の党の各党にも要望書をお送りし、可能なところは面談をし、HP や SNS に公開した。

(5)  6/3 に日本教育会館で開催された「呼びかけ人会議」の集会において、各立憲野党から宇都宮さんへの支持表明がなされ、事実上の野党統一候補という流れが決まった。働きかけが間に合って本当に良かった。 

<注>「市民と野党をつなぐ会@東京」の総括稿をそのまま掲載しました。

  


 

2. 東京都知事選挙をたたかって     

沢井正代(市民選対事務局目黒窓口) 

都知事選挙をたたかったみなさん、本当にご苦労様でした。

コロナ禍の中でたたかわれた都知事選挙は、都民の命や暮らしより、開発優先、効率化優先で進められてきた都政の在り方が改めて問われるものとなりました。宇都宮けんじ候補の政策は都民の暮らしを第1に今後の都政の方向を示したものでした。

この政策を立憲民主党や日本共産党、社民党、新社会党、緑の党が共同の政策として受けいれたたかえたことは、一緒にたたかった市民に大きな勇気を与えました。これは、共闘の発展であり、今後の住民要求実現や都政改革を行ううえで大変大きな力なるものと思います。

今回の選挙体制は、地域において野党と市民が一つになって「市民選対」をつくり、街頭宣伝、候補者カー等の運行、ポスター貼り、法定ビラの配布など作戦も含め、すべて分担しながら大変元気に行われたことは、これまでの選挙にはない前進だったと思います。

こうした選挙態勢がスムーズにつくられたことは、“めぐせた”としてたたかった2017年の総選挙とそれに続く国会議員との定期協議、今年4月の区長選挙など粘り強い市民と野党の共同の活動の結果だと思います。

 宇都宮候補が決まり短期間の選挙戦がスタートしました。有権者に宇都宮さんの政策と人柄を伝えるために、日本共産党目黒地区委員会は、6月6日(土)より17日(水)告示日前日まで連日宣伝カーを運行するとともに、市民選対としても13日(土)自由が丘駅前(約100名)、14日(日)碑文谷イオン前(30人以上)、17日(水)学芸大学駅前で街頭宣伝を行いました。雨が降りしきる中での宣伝でしたが、市民選対の熱い熱気がうかがえました。

 告示後は23日の確認団体カー、26日・30日の候補者カーの運行計画と駅でのスタンディング、20日の自由が丘駅周辺ウオーキング(70人)、27日の学芸大学商店街ウオーキング(30人)を企画しました。市民選対は6月28日から7月4日までのラストウイーク連日宣伝を呼び掛け、一週間で7駅、5スーパー前、目黒区役所門前、延べ23回の宣伝を行いました。終盤のビラの受け取りはよくなってきました。高校生や若者の受け取りがよかったです。

今後は、宣伝プロジェクトチームを作り、スポットやプラカの検討などを考えたらいいと思います。

 支持拡大は、宇都宮支持団体への選対ニュースの配布や事前ビラ、法定ビラの配布を行うとともに、団体内会員への支持の呼びかけを行いました。また、テレデータを活用しての電話作戦は、テレデータ数 1,017件掛けたうち、
対話数      382件
     A      59件
     B      64件
     C     127件
    不明     126件
対話数に対するAは、15.4%
偶然かもしれませんが、目黒の宇都宮さんの支持率と同じくらいでした。   

 


 

3. 未体験ゾーンでの選挙;宇都宮さんから学ぶことが多かった!

森 正樹(市民選対事務局世田谷窓口) 

 ■選挙結果について

・都政を変える勢力がれいわと二分されたとはいえ、強いと目されていた現職票(336万)と宇都宮票(84万)がこれだけの大差となることは予想を超えた。なぜか、この分析は大事だと思う。

・未曾有のコロナ禍の中で、いまだ経験したことのない選挙となった。人と政策を考えてだれを選ぶかという選挙にはならなかった。街頭演説もメディアでの討論も限られるなかで、現職の「やってる」感とパフォーマンスだけが、テレビを通して露出された。

・コロナ禍の中で、「安倍さんよりましな小池像」がつくられ、変えるリスクより現状維持を選択する巨大マグマが形成され、公約の実現度や政策は棚に上げられマグマ票が現職に流れた。残念ながらこの中には、立憲野党の票も相当含まれていた。とりわけTVからしか情報が得られない高齢者ほど小池票が高かったこと、SNSを使える若い世代では宇都宮票が比較的多かったことは示唆的である。

・制約の多い中でも政党、政策重視で臨んだ有権者は、宇都宮、山本、小野、桜井各候補に票を投じ、この中では、宇都宮候補が相対的に勝利した。維新の小野候補が宇都宮票に接近し、山本候補と並ぶ票を得たこと、極右の桜井候補が一定の位置を占めたことは留意すべきであろう。

 

経緯について

・当初、めぐせたの議論の中で、候補者として勝てそうな順で、山本太郎、蓮舫、宇都宮健児の名が挙がっていた。立民が山本太郎の説得にあたることを期待したが、実現しなかった。実際には宇都宮さんの手が上がった段階において、協議がまとまっていなかったことが後で分かった。

・野党統一候補が決められない中で、宇都宮候補の出馬表明があったが、立憲野党と協議が出来ていないことに、めぐせたの中に戸惑いが生じた。

・議論の結果、れいわ山本太郎の動向を気にしつつも、安倍政権と小池都政とは真逆な正直、公正な宇都宮候補を支持することに決定した。まじめに都議会を傍聴し、都政に明るい宇都宮候補に、掲げる政策を学習するほどに期待と共感が高まっていった。

・とりわけ、3つの緊急政策、8つの重要政策、10数項目の政策課題は、格差と貧困をなくし、それを生み出している「新自由主義」と決別し、いのちと暮らしを守る切実な要求で、広範な人々に共感を呼ぶものであった。

・勝てる候補かどうかの判断基準ではなく、都知事にふさわしいかどうか、政治姿勢が大事。その視点から宇都宮候補を、市民連合、団体、政党(立憲民主、共産、社民、新社会党、緑の党)が一体となって推すことになった。立民手塚衆議院議員の決断と働きかけが大きい。

・告示直前、山本太郎の出馬が報道されると、めぐせた仲間の中にも動揺が走り、一部には宇都宮支援をやめて山本側につく人たちも現れた。しかし、山本氏の出馬を批判したり、支持に回った仲間を批判することはやめようという雰囲気がすぐ全体に広がった。実質的に市民と野党の統一候補としての宇都宮候補支持の活動に揺るぎはなかった。

・とくに、都知事選共闘の候補者調整に奔走された立憲民主党の手塚仁雄東京都連幹事長のことばに励まされた。「調整が難しくなるなかで、宇都宮さんがパンと手をあげたとき、「『なんで最初からこの人でまとまろうとしなかったのか』と悔いるような思いがこみ上げた」、「小池都知事を倒したいという気持ちはみんなと共有してきたが、誰ならば知名度があって強いかという発想があった。でもそれは『劇場型』の小池知事の土俵に乗った発想だった」、「そうではなく困っている人々に寄り添い、光を当て、一貫してコツコツと準備を重ね、多くの市民が応援している人がいると気が付いた。コロナ感染の危険と経済危機の両面で、みんな苦しんでいる。宇都宮さんしかいないという気持ちに吹っ切れた」と『しんぶん赤旗』は1面トップで報じた。

 

成果について

・立民、共産、社民と市民との連帯した活動は、相互の信頼感を高め、今後の市民と野党共闘をすすめていくうえで貴重な財産となった。

・美濃部都政以来、獲得しては失われてきた都政の課題を、宇都宮候補の政策を通して学び直すことができた。今後もこの政策を軸として、都政に反映させていく取組の指標としていきたい。

・今後の共闘を考え、れいわ山本候補と支持者に対する批判は控えられたが、財源論については、法定2号で相手候補名は伏せて問題点を指摘した。心配された支持者間の罵り合いや票の奪い合いは、双方の良心的な行動により避けられたことは意義深い。

・政党に配布されたのぼり旗も急遽増やしていただき有効に活用された。プラスターの多くは共産党に依拠したが、市民の手作り横断幕やプラスターも創意工夫して活用された。

・市民と政党による自由が丘、三軒茶屋などでの拠点街宣、主要駅頭での駅街宣が多岐にわたって、ウイルス感染対策を施して繰り広げられた。

・こうした活動の成果ともいえるが、めぐせた地域の宇都宮得票率(世田谷15.5%、目黒15.0%)は、都の平均(13.8%)を上回った。

 ■問題点と反省点

・現職が意図的に巣籠し、影響力のある地上波でのTV討論会は1回も開かれなかった(前回は4回開催)。現職の4年間の公約と実現度などメディアはほとんど取り上げなかったことは、与野党の支持を超えてコロナの始末に当たれとの現状維持のマグマを形成した。

・YouTubeなどネットやSNSを活用した宣伝活動は、旺盛に取り組まれたが、活用できない多数の都民にいきわたらせることができなかった。また、Zoom会議なども企画されたが、いずれも視聴者数が少なく、効果は限定的だった。これらの活用は必須であり、有名なユーチューバーとのコラボや政治・選挙活動に特化したユーチューバーの育成も課題。

・街頭演説も事前に告知できず、ソーシャル・ディスタンスを取るなど、未体験の制約の中で行わざるを得なかった。自公政権側にとっては、コロナ禍の選挙の優位性を学んだと思う。

・あからさまな現職批判、ネガティブ・キャンペーンは自粛したが、公約の実現度、後手後手のコロナ対策、やってる感とパフォーマンスの現職批判が十分浸透しきれなかった。逆に、現職批判や多彩に繰り広げられた街宣、駅宣により、反対に小池票を掘り起こす結果を招いた面も否定できない。

・ソーシャル・ディスタンスをとる、3密を避ける、消毒をするなどのコロナ対策が浸透する中で、街宣やビラ配布の活動を通行人が無意識にも避ける姿や冷たい視線として現れた。チラシの受取りは極端に悪く、話し合いがもたれる機会も少なかったが、反面、数少なく持たれた話合いは中身が濃かった。

・「格差と貧困をなくす」、「弱い立場の味方」との宇都宮けんじの政策が、中間層に警戒感を抱かせ、弱者にたいしても、自己肯定感の否定(『自己責任』の敗者)につながる反発を招いた面もある。

・これについては、「自己責任から連帯社会の実現へ」、「効率優先の新自由主義からの決別」について、共感を呼ぶフレーズの案出やわかりやすく説明できるスキルが求められる。『今だけ金だけ自分だけ』との標語は的を射た新自由主義批判。これには少しクラシックかもしれないが『一人はみんなのために、みんなは一人のために』が対置できると思う。

・これから秋に予想される衆議院選に備えて、コロナ禍のなかでいのちと暮らしを守る基本政策の協議に入るよう立民、共産、社民に促す取り組みをいそいで始める必要がある。そのなかで、経済力の回復面から「消費税5%引下げ」も取り上げ、れいわ山本太郎の野党共闘参加へ道筋をつけるようつとめる。

 

補足;『女帝 小池百合子』(石井妙子)について

・やっと投票日前日に買えたので投票日に読んだ。小説のような感じでページを括れたほど文学作品としても価値が高いと思う。読みながら松本清張の『砂の器』が頭をよぎった。

・「終章 小池百合子という深淵」を読み終わって、これは現在進行形のノンフィクションなのだ、と改めて気づき戦慄が走った。カイロ在住の同居人及び著者石井妙子氏に、危害が及ばないか不安がよぎった。

・告示日直前、小池は芝居じみていたが、「卒業証書」と「卒業証明書」にくわえて、ご丁寧にエジプト大使館からのメッセージを公表した。これで「決着」と多くのメディアも都民も思わされたことだろう。しかし、証書は偽造、捏造されたものであり、都知事の権力をもってすれば、賄賂横行の軍事政権、それに連なるカイロ大を篭絡させるくらいたやすいことを認識させられ、ますます闇は深くなるばかりであった。

・結果論ですがこの本が1年前に出て、『新聞記者』のように映画化されていたら、こんな結果にはならなかったはず、と悔やまれたしだい。いずれ映画はつくられるでしょう。

・そのときは、これまで培ってきた「女帝の偉大なる虚構」はもろくもくずれ、真実の女神が顕れることでしょう。そのとき、366万票のマグマに加担した都民の驚愕と悔悟はいかばかりであろうか?

 


 

4. 「市民選対めぐろせたがや」で取り組んで

小川講平(市民選対事務局)

 

1.「市民選対」を早期に確立した

→市民連合めぐせたは、安保法制の廃止、立憲主義の回復などを目指すため、国政選挙における政策の一致の拡大の追究を通じて候補者の一本化を目指し、衆議院選挙、参議院選挙、さらに区長選挙に関わってきた。これらの取組みを重ねる中で都知事選挙では、区議会議員も直接入った、「市民選対めぐろせたがや」が発足した。

 

2. 市民選対の発足は、市民と野党の共闘の実践を具体化させた

→市民選対は、全体会議、事務局会議(全体の会議と目黒と世田谷の個別の会議、政党間の打合せ)で諸行動に係る打合せを行い、宣伝行動、宣伝物(ビラ配布、のぼり、プラスターなどの準備手配…)の政党間と市民の調整・役割分担、関わり合いの意思の疎通が図られ実践された。短時間の中で打合せが積み重ねられ、決められた諸行動の当初の目的は達成されスムーズに行われた。

 

 3.良い経験となった

→選挙戦の様々な取組みに参加し、立憲民主党、日本共産党、社民党の諸政党と市民連合めぐせた、市民団体や労組などの人々の真摯な対応に接する機会が得られたことは良い経験となった。

 

 4.市民選対をどのように深化させるか

→市民と野党の共闘で、安保法制などの悪法の廃止、立憲主義の回復を目指す市民連合めぐせたとして、今後「市民選対めぐろせたがや」を更に深化させたいという想いは共通の認識になっているのではないか。衆議院選挙の時期は、安倍自公が握っている。

 

総選挙を市民選対でたたかうのか、政党関係者などと協議や深化の中身の具体化について早急に検討する。選挙戦(組織戦)は体力勝負でもある。選挙戦の活動の枠内に責任を持ってどこまで関わり、参加ができるか。主体的力量も考え、準備・行動・実践についても内部で検討する必要があると考える。

   

 


  

5.  共同したたたかいをすすめられたことが大きな財産

上田定男(市民選対事務局、世田谷区労連代表)

 

翌朝の新聞の見出しで、『小池圧勝」と書かれて、やっぱりダメだったかと思いましたが、がっかり感は全くありません。「宇都宮健児さんが選挙後、ツィッターで『選挙は運動ですから、』というのが一番分かりやすかったです。366万票の小池百合子と宇都宮さんが取った、84万。大差はありますが、なんと言っても次点だったこともうれしいです。

教特法や地方自治法などの縛りから解放されたためか(?)選挙中、街頭宣伝に、こんなに頑張れたのも初めてです。区労連としても、宇都宮さんや前川さんが来られた6月30日街宣以降、連日、三茶駅・パティオ中心にメガホン宣伝などもがんばり、日に日に参加者が増えていったのには、感激でした。

 都知事選、いろいろな視点からの総括ができるし、様々な角度からの分析も大事ですが、私個人としてのとりあえずの感想を書いてみると、

  コロナ禍での選挙の影響が一番のネックでした。現職が公開討論会に出てこない。感染者の発表の記者会見では毎日「事前運動」をしているようで、パフォーマンスばかりの感染対策。しかし、まさに「現職」がコロナに紛れて選挙を逃れる中で、「正直、公正な弁護士」が、築地の区公約違反や都立病院の独立行政法人化問題をあぶり出し、都政の大争点に選挙の中ででき、何よりも、立憲野党立憲民主党、日本共産党、社民党、新社会党、緑の党が推薦し、共同したたたかいをすすめることができたことが大きな財産だと思います。

遡れば、青島幸男以来の名が「売れている」、所謂「勝てる候補」選び、という「人気投票」的な側面から、共通の政策を創り、地味ですが、本当に信頼できる人を、みんなで押そうという方向に、力を合わせられたことが一番の教訓ではないでしょうか。これは、今秋にも予想される総選挙で、市民と野党の共闘を推進して行く上で、素晴らしい財産だと思います。

 小池都知事が再選後、今コロナ感染が急激に広がっています。感染症対策の決め手となるPCR検査拡大には、相変わらず消極的で、感染症患者の受け入れなど、積極的に行ってきた都の直営の、都立病院の重要性が深く認識されてきているにもかかわらず、都立病院の独立行政法人化を経営効率優先で撤回していません。医療や福祉、教育などに手厚い都政をつくるため、職場に渦巻く切実な要求と結びながら、都政革新を成し遂げていきたいと思います。

  

 


  

6. 都民はなぜ小池百合子を選んだのか

山田大蔵(市民選対事務局、めぐせた共同代表)

 

都民はなぜ小池百合子を選ぶのか

NHK都民K1万人アンケート(6/21〜24)が今回の都知事選を考える上で多くの示唆を与えてくれます。 https://www.nhk.or.jp/senkyo/opinion-polls/02/

〇今の生活水準に満足しているか?

 とても満足している+ある程度満足している 71%

「貧困」や「困難」という言葉とは縁遠い感じている都民が多い。いやそう思わされているのか。

 所得水準は下がり続けて今や韓国にも1人当たり GDPを抜かれ、コロナにより全国200万生活保護世帯が急増し、先進国の中でも高い貧困率は変わらぬまま。にもかかわらず自分たちは「貧困」や「困難」という言葉とは縁遠い、と考えている人に「弱者救済」という言葉は伝わらない。

〇政治や選挙に関心があるか?

 以外にも74%がとても関心がある+ある程度関心がある。と回答。

投票率は55%と前回選挙よりも4%も低いが政治に無関心な訳でない。コロナ禍ということもあるが、どうせ小池知事の再選で決まりという気持もあって低下した可能性もあります。

〇 小池都知事は資質・能力を持ち合わせているか?

 小池さんは「弱者への共感」が少ないと62%もの人が感じている。

 「女帝 小池百合子」で描かれた、小池都知事の人を踏み台にしてのし上がってきた人柄や冷徹・非情については都民は先刻承知している。

〇小池知事「7つのゼロ」の公約の実現度は?

 公約が実現したと考えているのは全体として1割ほどしかいない。

 そもそもそんな公約があったことさえ知らない人が2,3割もいる。政策とか公約が一番重要なのに、そこにはあまり関心が向かない。

〇4年間の都政で暮らしは良くなったか

 9割以上の人が良くなった・変わらないと回答。
 コロナ禍のまっただ中でも「ほとんど変わらない人」が多いのには驚き。

〇コロナへの対応で小池都知事の評価は変わったか?

 宇都宮選対が争点のトップにかかげ小池都政の「東京アラート」などの欺瞞を追及しましたが、都民の35%が小池氏の評価が上がった、49%が変わらなかったと答え、否定的なの16%に過ぎませんでした。

都民は、コロナ対策が緊急的かつ不十分とは感じていないのだから、結局、争点化されませんでした。

 

宇都宮選対の訴えがなぜ届かなかったのか

・今苦しい状況にある全ての人々のために選挙をたたかう

・1人1人が大切にされる社会
・「正直、公正、実直たたかう弁護士を都知事に

を共感を覚える都民は13.7%(宇都宮得票率)

・志向がほぼ同じ山本票10.7%を加えても23.14%と小池得票率59.7%の半分にも及ばない。
なぜか。

1.認知的不協和

 人は自分にとって苦痛と感じる「事実」を突きつけられると自分の見方の方が正しく「事実」の方が間違っていると考える心理的防衛反応をとる。以前と比べ間違いなく収入は減り暮らし向きは悪くなっている。加えてコロナ禍のマイナスの影響が出ているにもかかわらず、「良くなっている・変わらない」が9割。 悪化に直面する自分と向き合うのは苦しいので「事実」を否定する心的規制が生じる。

2.資本主義の矛盾が顕在化したとき、なぜ革命が起きないのか。

 貧困と格差が拡大しているのに黙ったまま声を上げない。限られた金持ち(特殊利害)がいることは承知し、自分がカツカツで生きている(共同利害)ことも知っている。

しかし社会全体が仮に劇的に変化したり、特殊利害がなくなった場合には、貯蓄もなくなんとか生きている自分自身の生活もゆらぐ可能性がある。不満足であっても将来の不安を回避する。若い世代が安倍政権を支持率が高いのは変化を嫌い現状維持(実は貧困化)を志向するのではないか。

3. 本当に困っている人は情報の仕入れようがない。あるいは自分が貧困化していることに気づいていない。または、生活保護以下の稼ぎなのに社会的体面があるので生活保護申請をしない。そして貧困対策に反対する。

4.非正規雇用に就いている人は、正規社員や公務員を妬んでいる。

5.生活に困窮する同胞を自己責任と突き放し、自己責任論を肯定する動きが強まっている。効率最優先、儲け第一を方針とする維新の「新自由主義的方向」「竹中平蔵的」なものを支持する傾向が強まっている。

富裕層:努力して勉強し一生懸命働いたから裕福になった。貧しい人がいるのは努力が足りないからだ。サボってばかりいるからダメなのだ。「弱者救済」などとんでもない。

貧困層:人間努力すれば必ず生活が良くなる保証はない。個人の努力ではどうしようもなく貧困や格差が生まれる。社会システムそのものを変えなければ良くならない。

6.今回の都知事選ではテレビ討論会は一度も行われなかった。ネット討論かあったもののごく僅かな人にしか都政の問題点や課題が伝わらなかった。

 

衆議院選挙をどうたたかうか

秋に予想される解散・総選挙をどう戦うのか早く体制を整えねばなりません。今回の都知事選で得られた成果と教訓をベースにするしかない。

1.弱者救済、ロスジェネ救済といった主弱者寄りの主張や政策を前面に出すのが、東京という地域を考慮した場合には、あまり効果的ではないのではないか。

2.ウツケン政策集はこれ以上ないほど完璧で理想に近いと思われたが、残念ながら政策が素晴らしくても勝利できないことも判った。3週間弱の選挙期間では1,100万人都民有権者に伝えるのは難しい。いかに都民に伝えていくか。

3.「困っている人を助けるのは、自分自身が安心して暮らせるようになる」ということをていねいに説明し、もっと実態を知ってもらう必要がある。しかし実際にそのSNSやチラシ、街頭宣伝だけでは限界がある。しかし他に方法があるか。

4. 影響力の大きいNHKは、今回のアンケートをなんと選挙後に公開した。都知事選の前に出せたにもかかわらず。ほかの大手メディアがまともに小池都政の問題点を報じることはなかった。

5. 衆議院選挙では今までどおりいつもどおり、嘘つき総理と安倍泥棒政権の批判を地上波で流すことは期待できない。特にNHKには。

6. 維新の動きも無視できません。先の目黒区長選で維新のたぶち候補が予想より高い得票率(24.6%)だった。同じく維新の小野候補も全都9.9%だった。そして世田谷区について言えば、山本候補の11.9%を超え小野候補は12.0%もの得票率だった。自民党は嫌だ。かといってあまりにも“革新色”が強いのも嫌う層が維新に票を投じていると思われます。

理由は維新にはまともな政策らしい政策はないからです。維新を選択するのはその新自由主義的傾向(竹中平蔵的と言い換えてもいい)に共鳴しているからです。東京5区、6区では両候補の出馬が一部で囁かれています。いまのうちにしっかりと対策を準備しておかないといけない。

7. 消費税減税が野党共闘の共通政策に掲げられる可能性が論じられていますが「消費税は社会保障に必要」「今更消費税を下げても物価は下がらない」などと消費税減税には必ずしも賛成しない声も聞きます。どうしたらいいのか。

 

 以下を参考にしました。

宮台真司 https://youtu.be/QeLgt4U5Loc

けばぶとるこ https://youtu.be/g2c8RI_N8z0

  

 


 

7.  都知事選挙を振り返って

渡部公一(市民選対事務局)

 

候補者選びの初動期から野党共闘の実現、宇都宮さんで野党統一候補決定、告示までの取組み、告示から投票日まで多岐にわたった活動を進めてきた。

この中で、以下の3点に絞って振り返ってみたい。

○ 野党は共闘
  ○ コロナ対応で明確なメッセージ
  ○ 政治姿勢

 

前哨戦

<目黒区長選挙結果>

4月19日投票の目黒区長選挙があった。

青木 英二  30,178% 39.88%
 山本ひろこ  26,908票 35.56%
 たぶち 正文 18,588票 24.56%

<在宅勤務で投票率アップ、コロナ対応が大きな争点に>コロナ禍であったが、投票率は、33.33%と16年ぶりに30%を超える投票結果となった。

これは、在宅勤務などステイホームの影響で、いつもはモーニングショーや国会中継を見ることの少ない多くのサラリーマンが、コロナ報道を目の当たりにし、期日前投票も含め、投票に参加したと思われる。

また、アベノマスクと特別給付金10万円などに象徴されるよう、政府の無策、緊張感のない後手の対応に比べ、吉村大阪府知事、小池東京都知事のやっている感のTV演出が派手に報道された。維新のたぶち候補のポスターは、コロナ便乗候補で吉村知事の2連ポスターの効果もあったのか、思いのほか支持を得た。

この選挙戦で、山本ひろこ候補は、「新しい目黒区長をつくる会」を結成し、区政を変えよう目黒区民の会と立憲民主党、日本共産党、社民党、生活者ネット、新社会党の支持でたたかったが、れいわ新選組を入れることはできなかった。

選挙戦は、事務局会議や諸活動をそれぞれの会派で連携し取り組んだが、全会派一緒になった活動は、ぎごちなく課題を残した。

<区長選挙の教訓>

◎コロナ対策を多くの人が注目しており、コロナ便乗の維新が多くの得票を得た。
  ◎野党共闘とれいわ新選組、野党共闘の下で選挙活動

 

野党は共闘

<良かった点>

市民連合めぐせたが何回かZOOM会議で議論し、他の市民団体に呼びかけ一緒に、5月初めに統一候補要望、6月初めに宇都宮健児を都知事選候補者にと、野党共闘要望書をれいわ新選組も含む各会派へ要請した。この結果、立憲民主党、日本共産党、社民党、新社会党支持の野党共闘が実現できた。

 

教訓;その1

<野党共闘で宇都宮健児が統一候補に>

小池百合子は、前任者たちと異なり、任期を全うしオリパラを都知事として迎える意思は明らかであった。3/24安倍首相がバッハIOC会長とTV電話で「オリパラ1年延期」とした途端に、コロナ対応でロックダウン発言、都の責務はなく、都民へ自粛だけを求め、やっている感の演出、TV出演を電通に税金2億円かけ知事選の事前活動が開始した。

「女帝」の出版もあったが「朝日」の無視、TVの小池出演に圧倒され、候補者のTV討論会は皆無。候補者の討論会は、かろうじて津田大介のリモートYouTubeだけだった。

4月連休前に野党共闘で候補者が決まる選挙戦を期待していたが、コロナ禍の中で小池百合子に立ち向かう候補者の選定に苦労したと思われる。

れいわ新選組の山本太郎とのやり取りは、我々にとってブラックボックスだが、総選挙のすべての東京選挙区選挙で野党共闘が勝利するために、国民民主、れいわ新選組と生活者ネットの共闘が不可欠である。

そのために、市民連合は、目黒区長選挙と知事選挙の教訓をふまえ、れいわを含む野党共闘の実現に具体的に努力しなければならない。

<目黒区・世田谷区で市民選対めぐせた結成>

市民選対めぐせたが、6/7(日)に市民連合めぐせた、立憲民主党、日本共産党、社民党などの参加で結成し、計4回開催し和気あいあいの意見交換と活動が行われた。目黒区長選挙のぎごちなさは、解消されたように思った。

東京選挙区ごとに市民選対ができ、都議補選も共闘したと報じられている。

私たちが、関係する5~7区で市民選対めぐせたプラス7を結成し、立憲民主、日本共産、社民、国民民主、れいわ新選組と生活者ネットを結集し、政権奪取に取り組むことが必要だ。

 

教訓;その2

<コロナ対策>

多くの国民が注目しているコロナ対策を正面から説明することが必要だ。コロナ禍の中で、職場健康診断にPCR検査と抗体検査を組み込み、感染を封じ込め、発熱外来を全ての自治体に設立し、抗ウイルス剤など治療方針を明らかにし、一人も取り残さない医療が必要だ。また医療崩壊にならないようベッド数、マスクやアルコールなど医療資材の供給状況を開示し、診療報酬を3・11で行ったように引き上げ、医療従事者の処遇を支援し、協力する医療施設が報われる仕組みを確立することが必要だ。

 

教訓;その3

<政治姿勢>

安倍首相と自公政権のモリ、カケ、桜、黒川検事に対し、多くの人たちが「ネットデモ行進」に参加した。直接生活に影響しない事件について、将来の危うさを感じ画期的な行動になった。

政権与党30%、野党20%、無党派50%といわれる中、いかに無党派50%の支持を得るかにある。そのため、地球環境の温暖化対策や脱原発、最低賃金の底上げやベイシックインカムのほかに政治姿勢の明示が必要だ。

  

 


  

8. 選挙結果の概略分析

志村徹麿(宇都宮選対メンバー、めぐせた共同代表)

 

1.  得票結果(前回と比較して) 

各種の世論調査、出口調査などから推計すると(有権者の流出入、地域住民の階級・階層・世代構成の変化、投票した・しないの変動などがあるなかではあるが)、

◎小池候補には、前回増田候補(自公が擁立)に投票した大半の有権者が投票したとみられる。特に公明支持者の95%が今回、小池候補に入れたという調査があり、そうだとすると驚異的な「票の固まり」具合だ。また各種調査から推計すると、自民支持者の票もそこそこの「固まり」具合で今回、小池候補に入れたとみられる。

◎一方、前回鳥越候補(立憲野党が擁立。宇都宮氏は告示日前日に立候補断念)に投票した多くの有権者は今回、宇都宮候補と山本候補に入れたとみられる。ただし、今回の各種調査から推計すると、宇都宮候補を支持した立憲野党支持者票の「固まり」具合は、自公支持者の小池票「固まり」具合より、弱かった。

当然、前回鳥越候補に投票し、今回山本候補に入れた部分があろうが、それだけでなく、各位が指摘しているように、コロナ危機のもとかつてなかった現職有利の異常な選挙戦で、立憲野党支持者のかなりの部分が小池氏に投票したとみられる。

◎小野候補(今回維新が推薦。前回維新候補は出ていなかった)には今回、前回は小池・増田・鳥越の各候補に投票した有権者のそれぞれ一部が投票したとみられる。

 このような推移、推計をまとめると、

前回の小池票+増田票−今回の小池票=約100万票
つまり、それだけ票を減らしている。
一方、今回の宇都宮票+山本票−前回の鳥越票=約15万票
つまり、それだけ票を増やしている。

 

前回、告示直後は小池候補とトップ争いしていた鳥越候補(世論調査による)が、政策の粗雑さがはっきりし、「週刊新潮」報道などを巡って宇都宮氏の支持を得られなかったなどの要因により、急速に「失速」した経過がある。

今回、宇都宮候補陣営は短期間の選挙戦中に、次々と活動手法を広げ、立憲野党支持者の「票がため」に懸命に取り組んだ経過がある。こういう経過・取組みの動態的分析が必要であり、また既述のようにコロナ危機下の異常な選挙戦となったことなどをリアルに分析する必要がある。得票結果は、そういう現局面での彼我の力量・力関係を示している。

 

2.選挙戦の政策、体制(市民と野党の共闘の角度から)

 宇都宮候補を支持した立憲野党の各党首・幹部が応援演説し、また自主投票だった国民民主の小沢氏・平野幹事長・原口国対委員長、さらに野田元総理、岡田元副総理が宇都宮候補支持を表明した。それらの発言は、宇都宮候補の政策の基本を捉え、コロナ危機のもとでのあるべき医療・経済政策はもとより、歴代都知事の「新自由主義」的「格差と分断」政策を抜本的に転換して新しい東京像・社会像を提示するものであった。

つまり、今回の都知事選を通じて、立憲各野党の政策的対応表明は、これからの継続的都政改革運動(次回都知事選、来年の都議選を視野に入れ、焦眉のコロナ対策等への政治社会運動に取り組む)ための政策的共通項になりうるものだ。

都知事選ではあるが、立憲野党各党が党首はじめ党幹部発言で公にこういう政策的立場、そして力を合わせてたたかうことを表明したことは、国政政策(協定)と国政における「市民と野党の共闘」を前進させる強いインパクトとなる。

 今回の宇都宮候補陣営の体制面での新たな画期的取組みについては、各位が指摘している。れいわ新撰組は前回存在していなかった。山本候補(れいわ公認)の選挙活動は新たな取組みである。山本候補陣営の「総括」が注目される。ちなみに、宇都宮候補陣営の「総括」作業はまだ進行中である。

 

都知事選「總括」作業を進めつつ、今秋にあるともいわれる衆院選に向けた準備活動を直ちに開始する必要がある。すでに、立憲野党は「政権構想」政策論議、政党間協議などをはじめている。全国「市民連合」も準備を開始している。

そういうなかで、都知事選では自主投票だった国民民主、そして山本候補を擁立したれいわとともに、現下の危機を打開し、希望ある日本に転換するための「政権交代への受け皿」の姿を人々に示す「市民と立憲野党の共闘」体制を構築することが決定的に重要である。

これら各党が大いに努力する課題であり、宇都宮候補を支持した市民も、山本候補を支持した市民も知恵を絞り注力する課題である。

 

3.目黒・世田谷での結果

 両区とも全都平均に比べ、小池候補の得票率は低めである。宇都宮候補と山本候補の得票率は高めである。小野候補の得票率は山本候補より高い。

両区の住民構成(有権者の受け止め)と選挙活動(候補者陣営の訴求力・力量)相関関係の中での結果とみられる。当然、1、2でみたような全体状況のなかで。

すでに各位が様々な実践体験から指摘しているように、この相関関係のリアルな分析から教訓、課題を引き出しつつ、これからの活動に活かし、取り組んでいきたい。

   

  

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第2部 たたかった市民の声

 


 

9.  皆様へ、「人間バンザイ」です!

児玉勇二(弁護士)

 

皆さんの多様な総括、さすがめぐせたですね。お一人お一人の総括が勉強になります。

 1. 人間ドラマ

僕はいつも、総括は今後の闘いの発展的契機になるよう、また今回も繰り広げられた人間ドラマを見つめています。いま『コロナ禍を通して本物を求めて』の本の原稿を書いていますが、本物の闘いが組めたのは「暮らしを深く見つめられる生存権の闘い」を掲げた宇都宮さんで良かったと思っています。

手塚さんの派手な人でない闘いへの感動発言、三茶での今も忘れられない大成功、特に医療現場介護現場の室生さんらの発言、宇都宮さんの都民の命と暮らしを守る今まで聞いた中で一番の演説、最後の烏山でのめぐせたの仲間がビラまきに現れたこと、立憲の中山さん、城間さんの頑張り、ズーム会議でのあまり知らなかった瀧さんのいつも学ばされる発言、角倉さん指摘のように山本太郎支援者の皆さんとはもちろん仲間との発言、清水さんのうちの商店街での街宣、弁護士グループも子どもに関するスエーデン会議に自さ社政権時、政府日弁連代表で一緒に行った先輩の社会党の大脇雅子弁護士も呼びかけ人で参加し、ビラまきの裁判所前での若手弁護士の活躍、今も目に浮かんできます。

本当に「人間バンザイです」。

 

2.  今後の闘い

野党共闘の柱、改憲と安保法制について、僕の活動の範囲で述べます。

     安倍改憲です。 6月18日の安倍首相の国会閉会後の記者会見と20日の橋下徹のSNSでの対談での「なんとか国民投票」、「必要なら衆議院解散で国民の声を聞く」、東京新聞こちら特報部6月23日の記事の最後で「楽観論を戒める、大阪の吉村知事効果で、改憲派の維新の会は次の総選挙で議席を延ばすかもしれない、そこに改憲そのものに反対しない国民民主を巻き込めば次にもっていけると思っているはず」

僕は先日のズーム会議に述べたように、コロナ禍でコロナ問題で毎日テレビなど出まくってる以前少年法でテレビ対決をした橋下徹氏の権力強化発言などからも、共同通信4月末世論調査緊急事態条項改憲案賛成51%、反対47%からも、都知事選結果を踏まえ、我々の最も重要な闘いの柱になること10月解散説も踏まえ最重要視していく必要があります。

 

    安保法制の結果、中東オマーン湾への海上自衛隊派遣。最近のイージス・アショア撤回と同時に出てきた自民党での「敵基地攻撃能力論」の論議。オスプレイの配備、沖縄辺野古基地問題など知らぬ間に、「専守防衛」を超えた、米軍の下での集団的自衛権行使拡大実施が行なわれている。

僕らの安保法制違憲訴訟も、今までの証拠調べもしないで敗訴判決を出した裁判批判、雑誌『世界』で伊藤真氏が批判していますが、我々は頑張って今全國で、10裁判所での宮崎、前田、半田、浜田など証人尋問が予定されている。

①と②の問題も皆さん共々その意味では10月解散もありえ、今回の都知事選も教訓にして市民と野党の共闘を前進強化していきましょう。

 

3.コロナ禍での本物を求めての本はもうすぐ原稿完成

先日お話した「有事に国のトップの支持率は上がるとされるラリーザフラッグ効果」。不安を抱く国民は、自分たちを守って欲しいとその役割を担うリーダーへの支持が、期待を寄せる。ポピュリストのイギリス、イタリア、フランスいずれも支持率上昇のこと話しましたが、小池の今回の結果はこれの影響もあります。吉村大阪知事もそうです。

しかし秋解散の安倍さんは例外。僕も裁判告発などに参加している、森友、加計、桜、検察官延長問題、公文書改ざん問題など、コロナ対策でもそうで支持率低下、油断してはいけませんが、さあ皆さんどう闘うか、生きがいを持って生き生きと、生き生きすぎると僕は演説弁舌長くなりすぎますが?

  

 


 

10. 「めぐろ・せたがや市民連合」として初めての都知事選をたたかう

松尾 弘

 

今回、「めぐろ・せたがや市民連合」として、初めて都知事選挙に取り組みました。その中身について少し意見を述べます。

〇前進面

都知事選挙に取り組んだ多くのメンバーは、今までになんらかのメンバーとして選挙に取り組んだ人たちと思いますが、「めぐろ・せたがや市民連合」としての選挙の取組みは、初めてであり、この取組みが前進した面だと思います。

〇気になる点

メンバーの参加が少ないのは? 他の市民グループとのつながりを生かしきれたか?

今回は、コロナがあったということはありますが、このことは一つの現象であり、負けた理由にはならないと思います。

都知事選挙は、美濃部知事選以降は、「保守(自公)」に負け続けているのが現実です。

〇どうすれば?

市民連合として大きくより強くなるには? 次の衆議院選挙は、自公・野党連合・維新と大きく3つのグループのたたかいになると思います。そのためには、維新対策・保守中間層を取り込めるような政策は?

以上、思ったことを書いてみましたが、野党連合・市民連合の力はまだ現状を変えるほどの力は残念ながらないと思いますので、その力を付けることをみなさんと考えながら実行したいと思っています。

 


  

11.  告示日直前の山本太郎の出馬宣言

森 正樹

 

多くの皆さんは、「なんてこった!」「これでは票が割れてしまう!」と思われたことでしょう。「これでは勝てない」、と 悲観的になっている方もおられるかもしれません。しかし、もともと圧倒的な露出度の現職知事との厳しいたたかいです。手塚議員のことばを、改めて思い出してください。

「小池都知事を倒したいという気持ちはみんなと共有してきたが、誰ならば知名度があって強いかという発想があった。でもそれは『劇場型』の小池知事の土俵に乗った発想だった」

「そうではなく困っている人々に寄り添い、光を当て、一貫してコツコツと準備を重ね、多くの市民が応援している人がいると気が付いた。コロナ感染の危険と経済危機の両面で、みんな苦しんでいる。宇都宮さんしかいないという気持ちに吹っ切れた」と語ります。

 

めぐせたでは、宇都宮さんの出馬前には、山本太郎さんが統一候補になるといいね、の声がありました。立憲野党も努力したようです。山本さんの出馬表明によると、「無所属の野党統一候補」として2度にわたって要請されたことを明かし、「れいわ公認」にこだわって1回目は不調。2度目は「無所属候補」を受け入れる代わりに、政治団体を「れいわ東京」とすること、衆議院選で「消費税5%減税」を統一政策とする条件で折り合わなかったようです(16日付け『毎日新聞』)。「小池票を狙っていく」とも述べています。宇都宮さんが市民と立憲野党の統一候補として出馬している中で、「出馬しないように」との支持者から強い声もあったようです。

  わたしたちには、出るな、とは言えません。一部のメディアでは「崩れた野党共闘」などと報じられ、野党票の分散が心配されています。無党派の票などかぶることも考えられます。しかし、革新票の奪い合いで、いがみ合うのではなく、協力し合って、無党派、保守票、いままで選挙に行かなかった層の掘り起こしで、宇都宮勝利へ展望を開きましょう。そしてその後の衆議院選への備えを忘れてはなりません。

  山本さんの出馬があっても、野党共闘は揺るぎませんでした。国民原口さんも宇都宮支持を表明しました。「禍転じて福となす」、闘い方をしないといけません。1対2から2対2のがぶり4つの闘いです。コロナ禍の中で、関心を高める効果はあります。保守の戦法に、本命候補+応援候補という図式があります。今回はそのお株を奪って、宇都宮勝利へ確信をもって邁進しましょう。(めぐせたMLから)

 

  


 

 

12.  太郎さんの立候補の理由に涙しました!

小林みどり

  私は太郎さんを応援していますが、都知事選には宇都宮さんを応援して太郎さんの立候補は反対でした。立候補しないと思っていました。

 昨日落合さんの事務所でポスティングのチラシをもらって家に帰り、パソコンを開いたところ立候補の記者会見録画を発見しました。太郎さんの立候補の理由に涙しました。でも宇都宮さんのことを考えると、とても複雑な気持ちになりました。

 以下、角倉さんへ今朝出したメールをコピーします。大変雑なメールで失礼しますが私の考えです。お読みいただきたいと思います。

 <角倉さんへのメール>
 おはようございます。昨夜のお電話、ありがとうございました。太郎さんの記者会見がyoutubeにアップされていますので、ぜひご覧いただきたいです。立候補の経緯、太郎さんの立候補の理由が話されています。

 経緯の中で、宇都宮さんと2回話し合いを持った2回目の時に、宇都宮さんは太郎さんが立候補を考えていると言った時に、お互いに勝ち負けではなく、政策を訴えていきましょう、と言われたとのことです。さすが宇都宮さんだと思いました。また、経緯の中の野党共闘については、立憲が太郎さんに出した、また太郎さんが立憲に出した条件が、双方合意できなかったことが分かります。

 私は太郎さんを応援しますが、宇都宮さんが言われたように、勝ち負けではなく、お互い政策を訴えていくということでやって行こうと思います。そして、都政をみんなで、私たちのための、私たちのものにしていけるかを考えるために、太郎さんの立候補で選択肢がひとつ増えたことを発展的なものとして考えようと思います。(めぐせたMLから)

  

 


  

13.  心の底から応援したかった宇都宮けんじさん!

清水繁子

 都知事選の感想として以下3点、報告します。

1.6月6日から、ほぼ毎日、駅前でスタンディング、または肉声でのアピールができました。一緒に行動して頂いた皆さまには感謝の思いでいっぱいです。

 私は、心の底から応援したかった宇都宮けんじさんの応援ができて、満足です。

2.「格差と貧困とたたかってきた宇都宮けんじさんとともに都政を刷新しましょう」という横断幕を二人で毎回、掲げていました。これをみて、近寄ってきた人たちと話しができ、勉強になりました。
 50代のスリムな女性、「私も貧しいけれど、宇都宮けんじさんって、誰ですか?」
 80歳くらいの杖をついた女性「下流老人という言葉があるけど、私はそれよ。宇都宮さんを、応援したいけど、何もできないわ。周囲の同年代の知り合いは戦争体験者なのに、自民党がいいと言うのよ。私は医者通いしているけど、ドクターハラスメントというのも、あるのよ。」

3.「格差と貧困とたたかってきた宇都宮けんじさんとともに都政を刷新しましょう」という横断幕、ちょうど通りかかったMさんから、ダメ出しされました。

  Mさんが言うには、「多くの人は格差も貧困も自分には関係ないと思っていたり、実際に貧困でもそれは認めたくない。だから、格差と貧困ではマジョリティの心をつかむことはできないわ。もっと普通の言葉で語りかけた方がいいのよ」

 彼女はそう言った翌日、あたらしいプラスターを作ってくれました。

   この観点は、志村さんが紹介してくれた司法試験社会人受験生の投稿、③マイノリティではない?主たる納税者層への誤解を解けるかの問題意識とも重なる部分かもしれません。現状に問題を感じていても、現状を変えることに不安を感じる人々に訴える言葉と社会運動(たとえば、シール投票は良いかなと思うのですが)を探していくことが課題だと思っています。     

 

 


 

14. 次はれいわを含めた野党共闘ができるように!

 

小林みどり

  今夜のめぐせたZOOM会議は都合が悪く参加できませんが、先ほど角倉さんからご連絡のお電話があり、それでは感想をとのお話がありましたので私の感想を書かせていただきます。2点あります、よろしくお願いします。

 <感想>

 〇 清水さん、感想ありがとうございました。そうだなと思うところがありましたので、私の感想を以下に書かせていただきます。

 1.「私も貧しいけれど、宇都宮けんじさんって、誰ですか?」
 2.「多くの人は格差も貧困も自分には関係ないと思っていたり、実際に貧困でもそれは認めたくない。だから、格差と貧困ではマジョリティの心をつかむことはできないわ。もっと普通の言葉で語りかけた方がいいのよ」彼女はそう言った翌日、あたらしいプラスター)を作ってくれました。              

1.について

 私は山本太郎の応援をしましたが、5日の投票を促す電話かけの時、まだ投票していない高齢の女性に出会いました。理由は「立候補者の誰に投票していいか分からない!」でした。今回テレビで立候補者の討論会はなく、開かれていたら「宇都宮さんて誰ですか。」、「誰に投票して良いか分からない。」という人は減ったと思います。

 2.について

 自分が貧困だと認めるのはなかなか難しいと思います。それは痛みをともないます。今の社会では貧困であることは個人の責任と思われているからです。「う 都知事は困っているあなたを助ける」の新しいプラスターはとても良いと思いました。

 

 〇 山本太郎の立候補・野党共闘

 山本太郎が立候補して反小池の私たちの応援活動が2人の候補に分かれました。私はそのことで、今まで一緒に活動していた人たちがいがみ合い対立しあうことになるのを恐れました。でも今は、悲劇的なぶつかり合いは活動中にありませんでしたので、恐れていたことは起こらないと思っています。

 今回れいわを含めた野党共闘は実現できませんでしたが、小池が圧勝でしたが、私たち都民、市民が宇都宮さん、太郎さんの今回示した政策を、良く理解し検討し、これからの小池都政を監視していく中で生かして協力して行くことが大事だと思いました。

 そして私たち市民が、反小池の具体的な活動をつくっていくことで、次はれいわを含めた野党共闘ができるように野党のお尻をひっぱたけば、それが実現する可能性があると思います。

 

 

 


  

15. 「全力を尽くさなかった」という悔恨の想い

羽立教江

1.選挙結果に、愕然としました。コロナ騒動(大きな災厄)が続いている中では、「現状維持」志向が強くなるだろうとは考えられ、その中でのたたかいは、容易ではない、と思いつつも、正直、これほどまでの大差がつくとは、思ってもいませんでした・・・・・どうして?

私達、都民にとって、日々の生活に大きな影響のある都知事選、また、首都東京をはじめ、一極集中の、まさに日本の政治・経済の中心である東京都の首長選挙なのに、どうしてNHKをはじめ、マスコミ、特にテレビが、この選挙を大きく取り上げて放映しないのか、告示前も、選挙期間中も、ずっと不思議に感じ、違和感を拭うことができませんでした。

 以前から、連日のマスコミによる「コロナ」報道が、そのまま、現職知事の選挙活動になっている、と感じてはいましたが・・・・・。

 「メディアが報道せず、各候補の政策の違いが、都民に浸透せず、選挙の論点にならなかったこと」⇒⇒「コロナ禍」が徹底的に現職有利に働いて、“選挙にならなかった”のではないかと、感じています。

 

2.私自身は、足・腰の疾病で病院通いに明け暮れ、身動きがとれず、皆さんと一緒に街宣に出ることもできず、「何の役にも立てない」脱力感と疎外感に打ちひしがれて、選挙戦前半の貴重な時間を浪費してしまっていました。

 テルテル作戦に手を付けたのは、告示前のわずか1週間ほど。結果として、500件弱の電話しか、かけられなかったのです。もっと早く手を付けるべきであった、と、今更、後悔してもはじまりません。私のほかに、テルテル作戦を続けられた方々の、ご感想・ご意見を是非、お聞かせいただきたいと思っています。

 

送られてきた485件のデータ

投票日前日までに、何としても、カバーしたいと、必死でした。昼食時を除き、夕食の準備前まで、宇都宮候補の政策ビラを前に、午前中2時間、午後4時間の6時間、ダイヤルを回し続けました。

もともとテレ・データの登録相手は、年配の方が多いとは予想されていました。また、日中の電話ですので、商店などではない限り、日中は留守が多いこと、呼び出しに応じる人は、中年・老年の女性が殆どで、男性の場合も、年配の方が多いのは予想どおりでした。485件中、対話ができたのは、180件に過ぎません。

 ただ、留守・電話番号不通などと異なり、対話できないまでも、「留守電」吹込みができると、こちらの意図を伝えられることで、ほっとします。 

 「選挙」と聞くなり、ガチャリ、と切る人の多いことは、選挙・政治に対する人々の意識を垣間見る思いがしました。私のテレデータの対象地域が、世田谷区の山の手(柿の木坂)だったこともあってか、受け答えの口調は、男女とも、総じて穏やかで丁寧な(そして、とりつく隙のない)話ぶりが多かったように思います。

 勿論、なかには、「くだらない電話をかけるな!」と怒鳴った年配らしい男性もいらっしゃいましたが・・・。

 「宇都宮さん支援の電話は、貴女で3人目よ」と言われる方が、これまでになく多かったのは、意外でもあり、嬉しくもありました。

 投票日が近くなるにつれて、当然のことながら、期日前投票を済ませた人が多くなりました。また、既に、投票する人を決めている、または、そのように感じる人が多く、「とにかく棄権だけはしないが、いつものように選挙に行き、いつものように、いつもと同じ政党からの立候補者に投票する」という感じの人が多く、各候補者の政策等や、これまでの問題点を考えるなど、都政を真剣に考えている人は少ない、と思いました。

 2~3時間も休みなく電話を続けていると、苦しくなってきます。30件~50件の通話のなかで、こちらの話をしっかり聞いてくれて、いわゆる「対話」になるケースは、1~2件あれば幸せ・・・という状況でした。

  <テルテル作戦を終えての反省

・6月6日の「めぐせた会議」以後、早い時期から、私個人が取り組むことができる選挙応援活動は、テルテル作戦しかないことに早く気付いて、もっと多くのテレデータ件数に、もっと徹底的に取り組むべきでした。

 ・電話口の相手の声をききながら、相手の様子・意図を想像しつつ、相手に「話させる」、とにかく相手の話を「じっくり聞く」態度に欠けていたのではないか。

・「これだけは伝えたい・話しておきたい」というこちらの気持ちが強くて、同じ口調で、同じ内容の話を「機械仕掛けの人形」のように、繰り返していたのではないか。

 ・宇都宮候補は、「弱い立場の者」のために尽力されてきた、ということを強調しすぎたのではないか。特に、今回、私のテレワークの対象(相手)となった方々(自分は「弱い立場の者ではない」と思っている筈の方々)にとっては、「自分たち自身のため」の候補者だ、という感触を失わせたのではないか。

 ・「弱者救済のスーパーマン」として徹底した人であった面を強調しすぎたのではないか。それでなくとも、「弁護士」の経歴は、「硬い人、頑固なイメージ」を持たせがちである。特に小池現知事の支持者が多いと感じられた中・高年の女性には、宇都宮候補の、人間的な、柔らかな面をも併せて話すことで、親近感を持ってもらう必要があったように思います。

  ・今回、こちらの話をよく聞いて下さった方々、特に男性の方々から、「残念だよなあ、もう少し若かったらなあ」という声を少なからず聞きました。その声に対しては、宇都宮候補の、街頭演説の際の結びの強い決意の言葉を伝えましたが・・・。

 

宇都宮さんにとっては、4回目の都知事選挙、おそらく、今回が最後の立候補になる、と思いながら、私自身は、大半の日々をウカウカと過ごしてしまいました。たった一人の僅かなテルテル作戦が、何になる、というものでもありませんが、個人的には、少なくとも、「全力を尽くさなかった」という悔恨の想いが強く残った選挙になりました。

 

 


 

16.  無 題

林 立彦(せたれん、市民連合めぐせた) 

まず、宇都宮さん、山本さんと、それぞれの選挙に関わった方のご健闘への感謝を申し上げます。ほぼ都知事選挙に関われなかったものですが、前回、前々回宇津宮選対と保坂選対を応援していました。

今回は、宇都宮さん、山本太郎さんの両名を、もっぱら街頭演説の聴衆とSNSとポスティングで応援しました。それと、新宿西口地下ほかの都内や神奈川県の各所で、国会や都議会のパブリックビューイングや、コロナ問題のドキュメンタリーのショートムービーの上映をしていました。

 まとめ

 ①今後の衆議院選挙では、各選挙区での野党の予備選挙システムを行い、議論を尽くして盛り上げてほしい。

 ②自分の主張だけでなく、みんなの利益を取るための訴えをしてほしい。当事者に近いところにいる人の真摯な主張は関心のある人には強く響くけれど、関心のない人は聞かない。届く声で世論を作り結果として公正さを社会にもたらす選挙も検討課題。特に保守や無党派層に訴える言葉を持ってほしい。 

 ③自分にないものを言葉にして、周りにそれを補完してもらえるだけの柔軟さと、私はやりますではなく、一緒にやろうという呼びかけを。(選対も)

  ④政策に全面的同意をしなくても投票できる人柄面でのチャーミングなポイントを。

 ⑤選挙の支持者層に強い求心力が必要なのは当然ですが、熱すぎると中途半端な人は入れません。中途半端な人でもなにかできるような工夫も課題。

 ⑥選挙後に、勝った相手候補がこれからなにをするのかチェックしていく必要がある。選挙戦で相手を研究した蓄積を都民に共有する(宇都宮さんはやっています。選対に加わった方もぜひご継続を)。

 

 主張の厳しさを落とすことが、その人の主張をぼかし弱くする場合があると思います。日常的なアピールでは、エッジの厳しさを落とすべきではないこともあると私も思います。選挙でも当事者からの魂の叫びのような発言があってもいいと思います(この文章はどう見ても主観的な主張が強い方ですね)。

 しかし、どう見せて納得してもらうかという聴衆に合わせたコントロールも選挙戦の中ではとても大切なことだと思います。また、どう見られているかという感受性も必要だと思います。街頭アピールの責任者は、候補者と相談しながら、ときには場に任せることも含めて臨機応変に会場の見せ方をコーディネートされるといいと思います。  

いくつか具体的に書きます。

・立候補過程とその政策や公約に市民が関われる余地があまりなかったのではないかと思います。立候補までの経緯について、前回の宇都宮さん鳥越さんのときと同じようなもどかしさを個人として私は宇都宮さんにも山本さんにも感じています。本人や政党の、戦略的なまた致し方のない理由がさまざまにあるとは思います。しかし、一般の有権者には「この人たちには小池さんに勝ちに行くつもりがないのだな」と、小池圧勝というメディアの下馬評を再確認されたと思います。善戦と評する人もいますが、反小池陣営が分断されたことも含めて大差での惨敗だったと思います。社会状況の変化で変わるとは思いますが、今の時点でのフリーハンドを与えてしまった気がします。

 

・選挙で人の心を動かすためにはストーリーが必要と良く言われますが、宇都宮さんがスーパーであるというストーリーに傾きすぎていて、わたしたちのストーリーにすることができなかったのではないかと思うことがありました。「弱いものの味方」の強調のし過ぎは作戦として共感を取れなかったという意見がありましたが私もそう思います。有権者がまだリアリティを持って実感できていない弱者としんから公正で有能な人では、自分との接点を見い出せないのではないかと思います。困っている人の話をするなという方向ではなく、事前に選対や支持者の方々が、困っている人に対しての社会での共感的な理解を意識的に広めていくべきであったと思います。

 ・経験のある中高年の男性というだけで女性からそっぽを向かれるというのは、大変に耳の痛い話ですが、さもありなんという気もします。性差による支配被支配の問題も大いにありますが、権威主義的なパーソナリティとして見えるかどうかという問題もあるような気がします。この人は完全無欠な人ですとか公正です有能です信念の人ですと言われると親近感が湧きにくいように思います。信念の人ぶれない人は、周りの人の声に耳を傾けない「頑固オヤジ」であることを多くの女性は経験から感じているのではないでしょうか。候補者の周りにいる人達が候補者を権威にまつり上げてしまっている構図が印象に残りました。「飲み屋の火を消さない」といったフレーズは良かったと思います。対になるような「わかちあえる暮らしも」みたいな人を食ったゆるいコピーもあると、有権者各層へ配慮ができたかも知れません。

 ・めぐせたでの経験や政党との信頼関係の積み上げから大きく前進したところがあると思います。一方、世田谷区での区長選で経験したことを十分に活かせたのかどうかの検証が必要かと思います。

 有権者を過度に傷つけない包括的な(誰もの味方的な)政策展開と選挙キャンペーンができたかという点です。また、都民の自尊心をくすぐる「せたがやYES」ようなフレーズを作れたかどうかという点です。

 

・スマート東京構想のお話についてzoom会議で事前にレクチャーを受けられたことはとても良かったです。『女帝』で権力に近づくパーソナリティがよく知られるようになりましたが、政策面でもビッグデータ利権を通じて中央政界と結びついていることがよくわかりました。小池さんが議論の場に出なかったためか、東京大改革2.0も大きな争点とされませんでしたが、新たな小池都政の中でどう扱われるか注目していきたいと思います。加速して悪い方向に向かっていくような気がします。

 

・候補に対する政党の支援は力が入っていたと思います。しかし、他政党や市民団体からの支援なしの山本さんが宇都宮さんと遜色のない得票を得たということの重さを検討する必要があると思います。また、各政党支持者のうち小池候補に流れた票をどう評価するのか各政党は検討するべきだと思います。自民・公明・維新から、宇津宮さんに流れた票の分析とともに(中心メンバーだけでなく多くの支持者が知っておくと良いと思います。メディア露出にだまされて誘導された側面もありますが、自分と考え方が違う人は、どうしてそう考えるのかという想像も大切です)。

・立憲民主党とれいわの合意ができなかったことについては、リーダーの器の大きさに疑問がでたかと思います。「まとまれない人々、ともにビジョンが描けない人々」というレッテルを、私たちは背負っていかざるを得ません。街でそう問われたときに、「困ることには抵抗するしかないのです。残念ながら、私達はまだそんなものです」としか、私には答えることができません。候補者や両陣営支持者の歩み寄りによる信頼回復に期待します。

 

私の意見は政治的にとてもマイノリティな方だと思います。私の意見を反映しても現実のいまの政治の中で私の意見を反映してもあまりいいことはないだろうし、多くの支持者や有権者は、支持する候補者の政策だからパッケージ一括で同意し、候補者の持つカリスマ性に親近感を覚えるのだろうなとも思います。選挙では冷めた視線より集中と盛上りが求められると考えたほうが現実的かも知れません。

 

でも、空気の読めない奴が組織の外にならいてもいいかなと思いました。私は都民ではないし組織的な活動をしなかったこともあり、批判をされても私個人がへこんだり私が考え直せばいいというポジションにいるのかなと感じます。あえて無責任な立場からの発言をしました。事実誤認があると思います。そこはおしかりください。

もちろん、みなさんを不愉快にさせるために書いたわけではなく、市民選対からちょっと離れたところでそれでも両者を応援したそういう人もいた程度に参考にしていただければ幸いです。

   

 


  

17.  この国の「政治文化」を変えていかないと

高橋知文

 オンラインでのめぐせた会議に参加しなかったので、ここ数ヶ月の状況がよくわからないのですが、その間考えていたことを正直に書いてみます。事実誤認があれば(あると思いますが)、ご指摘いただければ助かります。

 ◎今回、「一本化」が失敗したことは否定できない事実です。「そうはいっても、我々の力の及ばないところで決まってしまって…」というのであれば、「なぜそうなったのか? なにを、どこをどう変えればよいのか?誰たちにはたらきかければよいのか?」を検証・検討してから、我々の活動を立て直すべきでしょう。この、「ふつうの市民」が立ち入ることが出来ない(と思われている)領域に踏み込んでいって、われわれの意見をぶつけていかないと、いつまでたってもこの国の政治は変わらないでしょう。実際、戦後75年、あるいは「70年安保後50年」、まったく変わっていないのですから。

 

めぐせたはこれまで複数の野党(この場合は「立憲野党」)に対してface to faceでホンネの議論を行える場をつくり、選挙における候補者選びにあたっての「一本化」を強く強く働きかけてきました。このことこそがわれわれの存在理由、めぐせたの新しさです。

◎小池都政の4年間の「実績」をみると、米国大統領のトランプ氏同様「再選はむずかしい」とみられるのが「常識」ですが、そのような人物に対し366万人の東京の有権者が再選を支持した、ということを直視したい。(「東京の人間はバカなのか!」と言いたいのをぐっとこらえて。)選挙においては、「事実に基づく正しい情報」「筋道の通った議論をへた主張」「候補者のまじめで、思いやりのある暖かなひとがら」「弱い立場の人たちによりそった、誠実な活動」をいくら訴えても、全く通用しないことがある。毎回ではないにせよ、多くの場合は通用しない。Truth/Justice does not matter.ということを今回もわれわれは思い知らされたのです。

366万の有権者を「本当に変える」にはどうすればよいのか? これまで続けてきている「選挙運動」のやり方や「市民運動」は果たして「効果がある」のか「実効性がある」のか?めぐせたの活動方法も考え直さねばならないのではありませんか?

 

◎「コロナ禍での選挙だったのだから、致し方ない」といった意見も聞かれますが、「非常時においては人々は正常な価値判断を失う。正常な思考に基づく政治判断をおこなわない。」ということを何もしないで、ただみているだけでいいのでしょうか?まさに「知性喪失・思考停止した大衆の姿」であり、大政翼賛会に向かう動きです。この国の人たちのこのような思考や行動のパターン、この国の「政治文化」というべきものを変えていかないと、100年、200年たっても、民主主義あるいは民主主義的な社会をつくりあげることはできません。

  わたしたちは何を目標に日々活動しているのでしょうか?

「政府・与党は今回の選挙で、どうしても勝ちたい選挙は『非常時』に行えば必ず勝てるんだ、ということを学んだだろう。」「次の総選挙はコロナ禍で行われるだろう。その際、われわれはいかに闘うか、議論したい。」との発言がありましたが、まさにわれわれは、さらに一層厳しい局面に追い込まれたと思います。 

◎山本太郎氏とれいわ新撰組については、「支持者」の方々のご意見を聞きたいと思います。

 

 


  

18. 都知事選の候補者は誰が決めるのか(私論)

鈴木国夫

 2005年以来、都知事選および市民と野党の共闘に関わってきたので、少し細部にわたるが私論を整理する。次回に向けての論議の参考にしていただきたい。 

1.「市民が候補者を擁立するべし」という論点に関して 

「候補者は政党が決めるのでなく、密室で決めるのでなく、市民が擁立すべき」という意見はもっともである。その論を裏返すと、実現するには何が必要か? それを創るためにあなたは何をするのか?という問いが返ってくる。

(1)  どこが候補者選考、立候補要請の主体となるのか:二つの方式が考えられる。

1)広くコンセンサスを得た市民委員会が候補者選考を行い、対象者に順番に出馬交渉をする方式が考えられる。しかし東京の市民運動の現段階において、そのように認知された市民委員会は存在していない。またこの方式は、統一候補づくりには適しているものの、一部の委員で絞りこむことには、不満や不正が発生する余地がある。また候補者選考をオープンに行えるかどうかは、相手陣営からの妨害リスクもあるので難しい問題である。様々なリスクを越えて、政治家や行政経験者でない方に出て頂くのは容易なことではない。

2)  Aさん、Bさん個人やそれぞれを支持する市民グループが自薦他薦する方式は、従来からも普通に行われている。「市民が出す」という民主主義には叶っているが、複数立候補で票が分散すると「市民が首長選で勝つ」という市民の願いからは遠くなる。一本化調整については後述する。

(2) 政党抜きでよいのか 

 1) 市民が担ぎ出すというパターンはあり得るが、立憲野党と協力してこそ大きな運動となるし、国政の改革につながる。また都知事候補者にと打診された人も、政党の実質応援が見込めなければ決断しないのが通例である。ましてや、政党が別候補を立てるなどの分裂選挙は避けなければならない。

 2) 今回、告示まで1か月を切ったタイミングで単独出馬宣言した宇都宮さんに対して、後付けではあるが、実質野党統一候補という位置づけが出来たことは、双方にとって大変良かった。

 3) 何が言いたいかというと、都知事選は市民と野党の共闘で行うものであり、今後も候補者選びは、関係者が相談・調整しながらとなるのではないかということである。

 

2. 複数の候補者が手を上げた場合の一本化調整について 

(1) 複数のグループや個人が手を上げることは歓迎されることであるが、一人を選ぶ選挙なので、選挙民としては一本化の調整をして頂きたいと考える。陣営間での話し合いもあるであろうが、将来的には、オープンな事前討論会や予備選挙などの仕組みも検討されるとよいと思う。

(2)  2020年の都知事選に関しては、もし複数候補が出た場合は、調整テーブル組織を立ち上げましょうという提案を2019年秋に行った(2019/9/18都政を考える夕べでフロア発言)。テーブル組織の構成は、「(全国)市民連合」が音頭を取って、「革新都政の会」、「市民と野党をつなぐ会@東京」、「希望のまち東京をつくる会」の四組織から委員を出すことをそれぞれの団体に提案した。

(3)  しかし今回は、候補者出馬表明が告示直前だったので、調整テーブルを機能させる時間はなかった。どちらかに絞るには、人々が冷静に考えるそれなりの時間が必要である。短期日に一本化作業をしようとすると短絡的な対立を生じ、弊害の方が大きくなる懸念もある。

(4)  「私は降りません」と宣言している候補者に対して一本化のテーブルを持ちかけることは矛盾と云える。しかし、「野党統一候補のポジションを事前に競って下さい、それで選挙民が判断します」というオファーであれば民主主義に叶っている。そのプロセスを経た上で、野党統一候補に公認された人に票が集中するかどうかは、統一候補側の努力と選挙民のリテラシーであろう。

告示間際では難しいので、野党統一候補のエントリー締切りを半年前などに設定して、個人や支援団体が自薦他薦してはどうだろうか。するとその期日を目指してそれぞれが準備するようになる。受け皿として、「野党統一都知事候補テーブル」を市民と野党で用意することは可能な段階に来ているのではないか。

(5)  選挙制度として、複数立候補が担保されることが望ましい。「公正・平等な選挙改革にとりくむプロジェクト」(とりプロ)は、首長選の選挙制度改革案として、フランスの大統領選挙のような、上位2名による決戦投票制を提唱している。

 

3.「なぜ野党はもっと前から準備し、出せなかったのか」との論点に関して 

(1) 立憲野党側の準備: この数年間の市民と野党の共闘の運動を背景に、立憲民主党と日本共産党の連携は深まっており、一緒に都知事選に取り組むことが合意されていた。これは以前とは様変わりの前進である。かなり前から候補対象者への折衝は行われたが、受諾して頂けなかったとのことである。オリンピックそしてコロナ対策で連日テレビに登場する小池都知事が手強過ぎるという判断もあったかもしれない。 

(2) 次回の都知事選挙: 仮に小池都知事が国政に転出した場合は、条件が全く異なるので、候補者も出易くなるかもしれない。次回は「野党統一都知事候補テーブル」を市民と野党で用意して準備してはどうだろうか。

 

 


  

19. 都知事選を巡って、気がつきにくい視点について

瀧さをり

 今回の都知事選を巡って、気がつきにくい視点について友人との間で共有された点についてご報告します。 

◆ネットでの応援、情報拡散について

・Twitter及びSNSでは情報収集はかなり拾って行かれる一方で、同じ傾向の意見の者同士が集まりやすい特徴があるため、そこで飛び交う意見や傾向を一般化して捉えることは錯覚を呼びやすい。
・ネット情報に常にアクセスすることに慣れているかどうか、生活環境は年代とは別に分断されている事実がある。
・ネットでのカバー範囲はいまだ限定的だと見る方が現実的である(自分の周りが世界全体ではない)。

 

◆宇都宮けんじさんの浸透度、小池百合子候補とのイメージ比較その他について

・宇都宮さんのTV露出度が低く、知名度が低いままであった。
・TVで毎日「緑のワークジャケット」を着て、感染者数を発表している姿を見て、小池都知事は頑張っている、というイメージが強かった。
・オリンピック報道の可能性が残っているため、TV各局は与党と小池候補にマイナスイメージを与える選挙戦報道に消極的であり続けたのではないか。
・都知事選の告知や情報流布が、いつもに比べて明らかに減っていた=候補者情報に触れにくい、盛り上がらない。
・宇都宮けんじさんの「人物、業績について拡散しきれなかった原因」について、次のような見方があった。

 女性たちの中には、
①候補者が「中高年男性」や「肩書のある男性」だと認識した途端に「またなの。もういいわ」と拒否感情を持つ層がかなりあるのではないか。

この2つのカテゴリーに対しては、社会的・生活上積年の根深い怨念のようなものがあり、唯一の実力派女性候補として小池百合子候補にシンパシーを持っている(昔、「おしん」に人気が集まったようなものか?)。

小池候補に対しての事実ではあっても他の男性候補がネガティブな指摘をすると「また、いじめられている。応援しなくちゃ」という気持ちをすぐに持つ。

②小池百合子候補に「男性社会の中で耐えてきた強い女性リーダー」像を見ている女性が結構いた。公約を一つも実現できていないかどうか、経歴詐称疑惑がある、というようなことは大きな問題とは捉えない。他にいない無二の実力派女性候補、と信じている。

 生活が苦しいはずの層の人たちの中には、

①貧困層とか、生活困窮者、という単語に対して、「自分は仕事もしているし、そういう人とは違う」、「生活困窮者は恥ずかしい」との、ある種のプライドから拒否感情を持つ場合がある
②どうにかなっているうちは「弁護士のお世話にはなりたくない」、「どうにかしてくれてきた自民党が安全」という偏見がある場合がある。
③社会の分断には注目が集まりにくい。コロナ不安以上の不安をもたらす情報は、知りたくない。知る余裕もない。

 

◆維新の小野候補は、千代田区中央区港区の都心3区で明らかに支持率が高い。新自由主義の支持者が多いと思われる。

*差別主義者の桜井候補に城東方面を中心に18万票集まったことに警戒するべき。社会不安が広がっている証左である。
*れいわ 支持へは、心配したほど宇都宮支持からは流れていないと見るべき
*参院選でのれいわ 支持者から、かなり小池候補と桜井候補に票が流れたのではないか

(めぐせたMLから)

 

 

 


  

20. 地域が自律的に強くなっていくような可能性

瀧さをり 

*宇都宮さんの立候補表明直後、前回都知事選での候補者問題が応援側にも傷になっている部分を感じ、当初は心配から始まった。その後、5区手塚仁雄議員があれ程の努力を見せてくれたことにも嬉しい驚きを感じ、そのことで力を得た市民の姿もあり、選挙での市民と野党の共闘の流れが、本当に育って変わっている真っ只中だということを実感した。

政党支持を得られるのか、団体支持はどうなるのか、というものと共に「めぐせた」のような市民運動が候補者支援団体として信頼を得られた存在になったと実感できた。

*各地で続々と「市民選対」が結成され、同時に野党の議員たちが市民選対と協力して働かれる姿を見て、こういうことが継続されれば地域が自律的に強くなって行くような可能性を感じた。

 

毎回めぐせたのアピールになるような、明るいデザインの横断幕を作り、いつでも使えるように準備してはどうか。ママの会の軽くて丈夫で畳めるもののようなスタイルを参考に。  →どんな時でも使える、めぐせたのアピール文を入れられれば。

     濡れても心配ない。
     急にプラカなど用意できなくても安心
     参加者同士で一緒に持てるのも分かち合いの始まりになる

*TV地上波の露出の多寡が、それほど政治に普段興味のない一般の人の印象を大きく左右することがわかった。しかし、今後も政治的忖度が続くことが考えられるので、ごく普通の人に伝わる代替手段の工夫が必須になるだろう。

 例えば→国会パブリックビューイングのミニ版をやる、時事政治課題、社会問題にシール投票をやる、「コッカイオンドク」をやる、モニターに動画を流しながらスタンディングもする など

 

*決まった駅頭で、女性がスタンディングを毎日するということは、通りかかる人にとって親しみやすく、好印象でとても素晴らしい取り組みだと思った。

*コロナ禍の中の特殊な選挙戦だったが、zoomミーティングは、時間もしっかり守られ、どこからでも参加出来るなど、かえって参加しやすい面もあると感じた。

*街宣時のカンパの集め方に混乱があった。 →小銭の人も、紙幣用封筒書きの人の長い列に混じって並び、待てずに諦めてしまう人もいた。

*男性が壁のように並ぶと、避けて行く女性が出てしまう。

*山本太郎候補が宇都宮さんの票を奪うという心配は、結果から見て当たらなかった。若者が山本太郎に流れる、というのもほんの一部の現象だった。

今の20代30代の若者は、むしろ堅実。中高年の女性が非常に多く小池支持に流れている。都心3区は、維新で新自由主義の小野候補の得票が多かった。都内東側の地域で差別主義者の桜井候補に思った以上の票が集まった。 

地域的には「めぐせた」地域では宇都宮さんの善戦に貢献出来ていた。

*SNSでの選挙応援は、思ったほどには広がらなかった(同じ傾向の人同士が集まり易く、SNS上の印象と実際の選挙情勢との間に誤解が生じやすい)。

とはいえ、即時的な拡散力は大きい。広く情報を拾うことには有効だったが、宇都宮さんの応援という面で見るとまだまだ工夫が必要だった。

*地上波のTV討論会が全くない中、ネット番組Choose Life Project の討論会と番組内での「10の質問への候補者の解答表」が放送後すぐにネット上で公開されたことは、「興味はあるけど迷っている人」に対する効果が大きいと感じた。これは、次の選挙でもさらに影響が増す分野だと思う。

*すぐに次の衆議院解散に向けて準備に入るべきだ、と強く思う。

 

 


  

21. 都知事選をたたかって

沼 衛市(カメラマン)

 知事選のご奮闘大変お疲れ様でした。勝利には結び付かず残念でしたが私なりの感想を少し述べたいと思います。

「敗軍の将は兵を語らず」では有りませんが、まず日本の選挙制度は異常です。これが民主主義かと言いたい。

まず最初に言いたいのは選挙運動の期間が非常に短い。有権者は「うるさい」と言うがこれ自体が民主主義を理解していません。実弾や誹謗、中傷するのが選挙では有りません。小生の親父はもう亡くなりましたが、千葉県の旧千倉町(現在南房総市)の町議選の時に相手候補がイチゴを手土産に持って来ました。それ自体買収行為ですが、忠臣蔵では有りませんがイチゴの箱の下に¥2,000が入っていました。もちろん親父はイチゴを相手候補運動員にぶん投げて返しましたが、(今から50年以上の話しですが)

 話しは変わりますが、選挙運動自体全く変わっていません.河井夫妻の件と言い、ここがそもそも選挙は「うるさい」「面倒くさい」が先に来てしまいます.民主主義が育っていない所以です。

 という事でそれでは勝つにはどうしたら良いか? 

(イ)まずマスコミを掴むこと。TVは何も見なくても点けっぱなしが多い、そこへ眼を付けたのがご存知、大手マスコミの筆頭、電通はじめ、御用報道機関(大手新聞社、各局TV局)。そのジャーナリズムの役員は、ほとんどすべてが官邸の神輿担ぎ屋です。官邸とメシを一緒に食って情報を仕入れるなんて。

(黒川問題と正しく同じです)これでは真の報道は出来ませんよね。話は長く成りますが済みません。

 小生自身、ビラ配り等(約4,000枚)をしたり、街宣の協力をしたりしました。思う事に本当に三無主義が横行しています。

 本当に民主主義の危機です。(三無主義=無気力・無関心・無感動)。知事選の選挙中ですが二子玉駅前での事で、メグセタの児玉先生達と宣伝していた時です。小生は100枚位のビラをもっての宣伝中、(約1時間半くらい)なんと一枚だけですよ、受け取ったのは。もう、怒りを通り越して情けない気持ちで一杯でした。

それに乗じてコロナ禍、小池はTVに出まくり、マスコミ(マスゴミ)が本来の役割を果たしていないのが重なって、小池一色に染め上げられたのではないでしょうか。

 以上、愚痴ともつかず、「蟷螂の斧」・「ごまめの歯ぎしり」の一説でした。長くなり済みませんでした。

  

 


  

22. 「担い手不足」を痛感;姪、甥には感謝

角倉洋子(市民選対めぐせた) 

Ⅰ 宇都宮候補の決意に想う

    5/27記者会見を聞き、過去2回と違った決意の重さと強さを感じ「今度こそ宇都宮さんで都政を変えたい」の想いに駆られました。

    その後、宇都宮さんご本人への「立憲野党への呼びかけ要請」に対して支援者の方から「4年前の候補者降ろしのことを忘れたのでしょうか?」との抗議のメールに私は共感したのにも関わらず、そのことをメールで直ぐ対応(個別メールのみ)しなかったことを深く反省しています。

    6/6「めぐせた」選対が宇都宮さんの支持決議をした翌日の6/7、蒲田駅西口での初街宣の場で清水繁子さんと「推薦決議書」をお渡しできたこと光栄に思っています。

 

Ⅱ 初めての地域市民選対でたたかって想う

    地域の市民組織、政党、諸団体が地域市民選対を作り、地域版共闘スタイルができたことはとても大きかったと思います。これを発展させることが求められます。
が・・一方で、「担い手不足」を痛感しました。この課題の克服も重要と思っています。

    市民選対でのたたかいは楽しかったです。これからの選挙戦は、このスタイルを望みます。

    今回、姪(足立区在住)に「めぐせた」情報を頻繁に送信しメールでの対話が弾みました。彼女は「めぐせた」5・6・7区ツイッターを開きその情報を私に送信してくれました。彼女の中に「めぐせた」が認識され嬉しい限りです。選挙後もメールを開く楽しみが増えました。

    甥の二人の子どもとのやり取りも励まされています。息子からは「宇都宮さんの、弱い立場の方に寄り添う姿勢は、これからも大事だと思います」。娘からは「今回の投票はいつもより行かなきゃ!と思う気持ちが強かったので、政治に関心をもつきっかけになったかなと思っています!」。

    選挙戦で手塚衆議院議員は、街宣はもとより、FBでも「宇都宮候補ほど私心がなく、主権者のために働きたいという純粋な気持ちの人に会ったことがない」とメッセージして下さいました。どれだけ励まされたことでしょう。

 

Ⅲ 選挙結果に想う

    小池知事への366万票は、「コロナ禍で都知事が変わるのは混乱しそうだから・・」(特に中高年層)という、政策よりも変わる不安感からのもの。それに対して宇都宮候補への84万票は、「都政を変えたい」という主体的想いが詰まったもので、1票1票が「重い」ものと思っています。

    ただ、4位の維新小野候補が61万票(太郎候補との差がたった5万票)も取ったことに危機感を禁じえません。

 

Ⅳ これからに想う

    Ⅱにも記載しましたが・・「担い手不足」の課題を真剣に論議していただきたいです。

    対話・コミュニケーションの訓練を日常的にしていくことを提案します。具体的には「シール投票」が訓練の「場」にいいのではと思っています。

    野党共闘を市民と共に探求するうえで、他者へのことば使いなどに配慮が必要と思います。常にリスペクトをもって行動することを自戒とともに肝に銘じたいです。

  

 


  

23. 都知事選を振り返って想う 

海沼広子

 孫の世話など日常生活に追われ一日が終わってしまう日々を過ごしています。

宇都宮候補の政策と人柄に納得し、ビラ配りやテレデータかけなどはしましたが、・・・選挙結果に気分は落ち込んでいます。

選挙は大事だけれども、選挙だけに依拠していいのだろうか?? 今、世の中を動かすのは何か? SNSの力が大きいのだろうか? 考えさせられています。

気候変動問題で行動を起こしたスウェーデン人グレタさん。16歳の少女が世界中を動かしました。日本でも検察庁法改正案抗議にツイッターで、1000万人もの人が参加し廃案させました。

デモや署名活動などを通して○○に反対する運動だけではなく、地域に根付いた実践の場を作り出すぐらいの力を付ける必要を感じています。

実践とは、貧困と格差に躓かないで生きていけるようなシステムを部分的にでも実現することです。そういうモデルが少ないので、人々の気持ちが現状維持に向き、さらには不安、不満が強いリーダーを求めて維新の会を押し上げていると思います。

 


  

24. 要望を出しながら応援していく

原田美知代(市民選対めぐせた)

 今回、宇都宮けんじ氏という素晴らしい候補者で野党が一つにまとまって応援できた事は意味があったと思います。立憲の議員さんの中には多少、宇都宮氏にアレルギーがある方もいらっしゃったかもしれませんが、そういうものを乗り越えて、宇都宮氏の政策、理念に賛同する成り行きになったことは、野党共闘により深みが加わり、次につなげられると思います。

 

今回の小池百合子氏の強さ不可抗力に近くある意味、無謀なたたかいではありました。
立憲野党の票を固める事も大事ですが、やはり無党派層に響かなければ、大きな広がりにはならないと感じます。
正しいことを訴えても、そこまで根気強く読んだり、聞いたりしてくれる有権者は少ないので、やはりイメージやキャッチーな言葉は有効だと思います。
チラシを配るときは、「地味だけど頑張ってま~す」と言って渡すとわりと受け取ってくれました。「うつけんバナー大作戦」というTwitterやfbのグループには大変、優れたバナーが数多く、そういうものをどんどんどん公式にも、活用していけば効果があると思いました。

今回、山本太郎氏が後から出馬を表明し一本化できなかった事は残念です。山本氏には吸引力があります。私の回りでも、ずいぶん山本氏に流れました。
今後はれいわを何とか野党共闘の枠組みに入れないと、この問題はずっとつきまとうと危惧します。ただし、山本氏が訴えているMMTの有効性や、れいわの最近の動き、一部のエモーショナルな支持者など、不安材料もあるので注意深く向き合うべきだとは思います。
とにかく野党共闘を軸にたたかっていくには、各野党自体が刷新して魅力的になってくれると助かります。要望を出しながら応援していく事だと思います。

 


  

25. 「違う意見=敵」という心理には自戒を

亀田 旬子

 私は世田谷区民ではなくなりましたが、「めぐせた」の皆さんの活動とメーリスは本当に勉強になり、感謝しています。

都知事選の総括案の配信を見て、とくに川崎の林さんが提案された市民と野党統一候補の「予備選挙」、そして、多様な都民との電話対話や、NHKの都民1万人アンケートの結果から山田大蔵さんが指摘された都民の「認知的不協和」に対する取組みは重要だと思いました。また、統一候補は万能でなくていい、常に各当事者の声(将来の有権者である子どもたちの声も忘れないで!)を反映させることが大事だとも思います。 

「めぐせた」と立憲野党の政策協議と野党共闘対策に期待しています。

私は、今回の都知事選こそは宇都宮けんじさんが野党統一候補として勝利し、都知事になることを願っていました。山本太郎さんの出馬を知ったときは、「野党票が割れる」と困惑しました。が、宇都宮さんよりも前に、山本太郎さんが野党統一候補の打診をされ、消費税5%を次回衆院選の野党統一公約とすることを渋られていたこと、コロナ第二波を前に都の「貯金」はひっ迫、コロナ禍で困窮する人々を救う財源を地方債発行で確保できることを総務省に確認のうえ、山本太郎さんが出馬したこと、事前調査によれば宇都宮さんと太郎さんが統一しても到底勝てないこと、国民民主党は自主投票、連合は小池知事支持等がわかってきて、宇都宮さんと山本太郎さんの両方をSNSで応援し、両方に「いいね」を押してシェアするようになりました。

そのうち山本太郎さんの都債財源論は、宇都宮さん陣営から批判され、その批判への山本太郎さん陣営からの反論も出されましたが、その反論への宇都宮陣営からの納得できる反論を私は見つけることができず、都債発行による補償が必要だと考えるようになりました。

8年前の都知事選を振りかえって、市民による野党統一候補の選定を行い、選定できなかった候補者の政策の優れたところも統一候補の政策に盛り込めたらいいのにと思います。

都知事選後、総務省が地方債の積極的な日銀担保活用を要請したことが報道されました。コロナ再拡大のいま、補償をどう要求するべきか、都債の発行を含めて、めぐせたと立憲野党で検討していただけたら幸いです。

今回の都知事選での山本太郎さんのコロナ補償のための都債財源公約や、その後の大西つねきさんの「生命の選別」発言をめぐっても、然るべき討議ではなく不毛なレッテル貼りが(ブレインとされる学者からも)行われたことも残念でした。

極右・ファシスト・レイシスト・権力者たちを利することにつながらないためにも、「違う意見=敵」という心理には自戒し、議論の仕方を見直す必要もあると他人事ではなく思いました。

 

 

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第3部 めぐせた都知事選活動日誌;2020.4.19-7.16 

 

4月19日、目黒区長選投票日、野党統一候補山本ひろ子、現職に惜敗

4月23日、めぐせたZoom全体会議

4月24日、めぐせた運営会議

4月29日、めぐせたZoom全体会議

5月2日、めぐせたZoom運営会議

5月5日、めぐせたZoom世田谷グループ会議

5月6日、めぐせたZoom全体会議

5月8日、めぐせたZoom運営会議

5月11日、都政Zoomカフェ;図説 東京の論点をテキストに

5月13日、めぐせたZoom世田谷グループ会議;区庁舎問題

5月15日、めぐせた運営会議

5月17日、ななれんZoom会議;谷川氏を講師に都政学習

5月19日、めぐせたZoom全体会議;コロナ禍、都知事選

5月23日、めぐせた運営会議

5月24日、つなぐ会@東京 都政チームZoom会議

5月25日、保坂区長とZoom対談(鈴木、森)

5月25日、宇都宮健児出馬表明(自身のブログ)

5月27日、宇都宮候補記者会見、つなぐ会Zoom会議、都政チーム勉強会

5月29日、めぐせたZoom全体会議;都知事選他

5月30日、つなぐ会Zoom運営会議

6月1日、つなぐ会Zoom運営会議

6月2日、宇都宮さんに、つなぐ会メンバー4名が面談し、要望書を渡す。同日、立憲民主党、国民民主党、日本共産党、社会民主党、れいわ新選組、東京・生活者ネットワーク、新社会党、緑の党の各党にも要望書を送る

6月3日、日本教育会館で開催された「呼びかけ人会議」で、各立憲野党から宇都宮さんへの支持表明がなされ、事実上の野党統一候補という流れが決まる

6月4日、つなぐ会Zoom勉強会

6月5日、駅宣;千歳船橋

6月6日、めぐせたZoom全体会議、駅宣;千歳船橋、尾山台

6月7日、「宇都宮さんを都知事に 市民選対めぐろ・せたがや」(以下、めぐせた市民選対)を結成。事務局体制確立。駅宣;千歳船橋、尾山台

6月8日、めぐせたZoom全体会議、駅宣;千歳船橋、尾山台

6月9日、めぐせた市民選対会議、つなぐ会Zoom運営会議、駅宣;千歳船橋、尾山台

6月11日、「東京アラート」解除、めぐせた市民選対会議;事務局体制補強、駅宣;千歳船橋、尾山台

6月12日、小池都知事、立候補を表明、つなぐ会Zoom運営会議、めぐせた市民選対会議;事前ビラ、公選はがき、掲示板ポスター、市民選対ニュース、街頭演説、電話作戦、SNSアカウント等、宇都宮候補が参加したZoom会議@中野、駅宣;尾山台、千歳船橋

6月13日、市民選対一斉行動;自由が丘街宣、市民選対世田谷会議、駅宣;千歳船橋、尾山台、下北沢

6月14日、市民選対一斉行動;三軒茶屋街宣、烏山区民センター前街宣、目黒イオン碑文谷前街宣、駅宣;千歳船橋、経堂、

6月15日、駅宣;千歳船橋、千歳烏山、尾山台

6月16日、つなぐ会Zoom運営会議」、めぐせた市民選対コア会議、駅宣;千歳船橋、尾山台、成城学園

6月17日、ポスター貼り講習会(世田谷)、市民選対世田谷コア会議、駅宣;千歳船橋、尾山台、下北沢、学芸大学

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6月18日、告示日、ポスター貼り、めぐせた市民選対会議、駅宣;千歳船橋、尾山台

6月19日、市民選対世田谷会議、めぐせたZoom全体会議、駅宣;千歳船橋、尾山台

6月20日、市民選対一斉行動;自由が丘、経堂、駅宣;千歳船橋、尾山台

6月21日、駅宣;都立大学

6月22日、つなぐ会Zoom会議、駅宣;千歳船橋、尾山台

6月23日、確認団体カー;14:30大岡山~西小山~碑文谷イオン前~17:00奥沢~尾山台~三軒茶屋~下北沢、駅宣;尾山台、千歳船橋

6月25日、宇都宮候補と前川喜平Zoom対談、めぐせたZoom全体会議、千歳船橋、尾山    台

6月26日、候補者カー;7:30三軒茶屋~桜新町~用賀~下馬都営住宅を経て、12:00自由が丘~学芸大学~14:00武蔵小山、めぐせた市民選対会議、駅宣;千歳船橋、尾山台

6月27日、市民選対一斉行動;二子玉川駅、学芸大学駅、市民選対世田谷会議、駅宣;尾

山台、千歳船橋

6月28日、都立大学駅宣

6月29日、つなぐ会Zoom会議、駅宣;上野毛、千歳船橋、尾山台、祖師谷大蔵

6月30日、候補者カー;14:00目黒駅アトレ前~中目黒駅前~祐天寺駅前~都立大学駅前~17:00三軒茶屋(司会;塩村、宇都宮候補、応援;前川喜平、羽田、落合、吉良、福島、手塚)~祖師谷大蔵~千歳烏山、駅宣;等々力、千歳船橋、梅が丘、尾山台

7月1日、めぐせたZoom全体会議、駅宣;尾山台、千歳船橋、経堂、八幡山

7月2日、ポスター貼替え、駅宣;千歳船橋、尾山台、経堂、喜多見、桜上水、成城学園前

7月3日、駅街宣;祖師谷大蔵、千歳船橋、経堂、三軒茶屋、尾山台、千歳烏山、成城学園前、上野毛駅、

7月4日、駅街宣;千歳船橋、祖師ヶ谷大蔵、尾山台、三軒茶屋

7月5日、投開票日、即日開票で現職当選

7月7日、めぐせたZoom運営会議

7月8日、めぐせたZoom全体会議

7月11日、つなぐ会Zoom会議

7月16日、めぐせた市民選対会議

 


 

文集名  2020都知事選をたたかって「市民連合 めぐろ・せたがや」総括集Ver.1.0

発行日  2020年7月16日 第1版第1刷

発行者  市民連合めぐろ・せたがや 

編 集  市民連合めぐろ・せたがや編集担当 森 正樹